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契約期間満了前に、協議により、跡地に建設予定の建物の建築費用の約2.5%を解決金として支払うことにより、工場3物件の賃貸借契約の解約を合意し、明け渡しを受けた事案

事案の概要

 相談者は、その所有する土地に工場三棟を建設し、A社との間で賃貸借契約を締結し、長年にわたってA社に工場の利用をさせてきました。
 
 その後、相談者は、高齢になってきたことや、工場が古くなってきたことから、相続税の対策等も考え、工場を明け渡してもらい、既存の工場を解体して新たな建物を建築して土地を有効利用することを決断しました。
 
 工場は、3物件あり、賃料は合計月額60万円でしたが、契約期間はまだ残っており、A社の工場利用の必要性も相当あったため、当事務所の弁護士が間に入って立ち退きに関する交渉を行うことになりました。

 

受任後の経過

 ご依頼を受けてからただちに、相手方会社に、率直な明け渡しの要望と、円満に解決したい旨通知をしました。

 相手方会社と相談者は、それなりに良好な関係を続けていたものの、ただちに立ち退くことには抵抗を示し、代理人の弁護士を選任して協議をしたいとの意向を示してきました。

 そこで、当事務所の担当弁護士は、相手方会社の弁護士と協議をし、結論として、3物件を、半年以内に明け渡す等の内容を受け入れてもらうかわりに、解決金として、1000万円(その後に予定していた建築工事の約2.5%の費用)を支払うことで合意をしました。

 解決金は、3回に分けて支払うことになり、また、当初想定していた立退料よりも、低い金額で合意できたため、相談者も納得の上、円満解決することができました。
 

ポイント

 ・法律上は明け渡しを強制できない事案であっても、円満に解決することができることがある。
 
 ・従前の関係が良好であったことから、相互に納得のいく解決水準で合意することができたケース

 

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